近年ではコンパクトシティと呼ばれる都市部への人口の一極集中が盛んですが、地方は地方で人を呼び込もうと必死です。人が減ってしまえば町として成り立たなくなり、住めなくなる可能性があることを考えるとそれも仕方ないのかもしれません。
　
しかしいくら人を呼ぼうとしてもその地域に魅力がなければ人は集まりません。誰だって魅力的な町に住みたいので当然ですね。
　
そこで今回は地方に移住する魅力、そして移住に関する様々な事情を紹介したいと思います。
　
　

田舎で働く、田舎で暮らすメリット

　

　
田舎には様々な魅力があります。誰もが最初に思いつくのは「自然が多い」という点ですよね。都会で育った人ほど田舎の自然へのあこがれが強い傾向があります。
　
中でも特に人気があるのは海に近い暮らしでしょうか。離島レベルになると尻込みする方が多いと思いますが、ある程度利便性が確保されている海沿いなどであれば、比較的人気の移住先です。サーフィンを趣味にしている人が海の近くに移住、なんて話も良く聞くと思います。
　
また、「島暮らし」も想像よりずっと普通の生活が送れます。よほど本土から離れた離島ならともかく、現代では離島でも一定の利便性は確保されているのです。人が住んでいるのだから当然ですよね。
　
近年ではインターネットの発達によりネット通販も気軽に使える時代になりました。もちろんインターネットがあればパソコンを使った仕事だってできます。つまり以前よりは遙かに田舎暮らしがしやすい時代であると言えるでしょう。
　
地方では住民への支援も悪くはありません。若干古めの2014年のデータになりますが、タマホーム株式会社が行った「夫婦の出産意識調査2014」では1～5位まで首都圏以外で埋まっており、出産・子育ての支援が手厚いことを示しています。
　

　
とはいえ、この調査の方法が「現在住んでいる都道府県は、子育てがしやすいと思いますか」という質問によるものなので、あくまで参考程度の調査です。しかし「住んだ人が満足しているかどうか」と考えれば決して無視できない結果でもあります。
　
実際、地方では人を呼び込むために手厚い支援策を用意し、それを売りにしているところも少なくありません。具体的な例を挙げると「給食費無料」「保育料無料」「出産祝い50万円」などですね。
　
参考: 移住っていいことあるんだ!!知らないと損する全国自治体支援制度5910
　
　

田舎で働く、田舎で暮らすデメリット

　

　
色々と田舎暮らしの魅力を紹介しましたが、実際には魅力ばかりではありません。移住してから早々に都会に戻る人が後を絶たないのも、理想と現実のギャップによるものが多いためです。
　
まず田舎暮らしの問題として「家がない」という点が挙げられます。意外に思うかもしれませんが、地方で空き家を不動産会社が管理していることは珍しいのです。とはいえ実際には空き家がない訳ではありません。不動産会社以外が管理している空き家であればそれなりの数があります。
　
つまり個人が所有している空き家であり、借りられるかどうかは家主との直接交渉次第ということになります。もちろん快くOKしてくれる家主さんもいますが、中には余所者だからというだけで断られることもあります。
　
また、田舎暮らしの勘違いとして有名なのは「田舎だと生活が楽になる」という点です。何を根拠にそんな考えが浮かぶのかは甚だ疑問ですが、「田舎＝物価が安い」との認識であることが多いようです。
　
しかし実態は田舎の物価は安くはありません。たしかに一部で都市部よりも安い物はありますが、逆に高い物もあります。基本的に物価が地理的要因で上下することはほとんどないため、期待するだけ無駄です。
　　

　
参考: 都道府県別・10大費目別消費者物価地域差指数の構造により各都道府県を8つのタイプ（型）に分類
　
むしろ賃金は十中八九下がりますから、相対的に懐の余裕が減る可能性のほうが高いでしょう。
　
　

田舎暮らしと寮生活

　

　
田舎暮らしの魅力と現実はおわかりいただけたでしょうか。しかしここで1つ朗報があります。田舎へ移住するのも「寮」があれば比較的簡単だったりします。
　
もちろん寮の種類や寮費、寮アクセスなどで違いはありますが、寮や社宅を利用することで賃金の低下と家探しについては一気に解決できます。さらに田舎特有の近所付き合いや家主との直接交渉が必要ないのも大きなメリットでしょう。つまり移住するなら必ず検討しておきたい選択肢＝寮生活ということですね。
　
また、仕事の面ではパソコン関係のスキルがあると役に立ちます。一定以上のスキルがあれば在宅での仕事も可能ですし、稼ぎが悪ければ副業も可能です。家から出ないで仕事ができるのは金銭・時間・労力などあらゆる面でメリットがありますから、移住を考えているならパソコンのスキルも取得しておくと良いかもしれません。
　
田舎暮らしには魅力もあれば欠点もあります。もし移住を考えているのであればしっかりと準備をしてから行動に移しましょう。